広島最大のショッピングモール、イオンモール広島府中。ファッション、グルメ、映画館まで何でも揃うこの巨大な施設が、かつてビールの名産地だったという意外な歴史をご存知でしょうか?
多くの買い物客で賑わうこの場所には、キリンビール広島工場として栄えた、知られざる物語が秘められています。この記事では、なぜこの場所がビール工場からショッピングモールへと姿を変えたのか、その歴史の軌跡をたどります。
※この記事に掲載している画像はイメージです。実際の団体、個人、店舗、商品などとは異なる場合があります。
キリンビール広島工場、創業から地域に愛される存在へ
イオンモール広島府中があるこの土地は、1938年(昭和13年)からキリンビール広島工場として、長年にわたってビールの製造拠点でした。当時は、広島市内の中心部にも近く、交通の便が良いこの場所が選ばれました。
工場は単にビールを造るだけでなく、地域の人々にとっても身近な存在でした。特に、毎年夏に開催されていたビアガーデンは、多くの家族連れや友人同士で賑わう、夏の風物詩でした。
また、工場見学も人気で、ビールの製造工程を間近で見ることができました。できたてのビールを試飲できるとあって、多くの人々がこの場所を訪れました。
このように、キリンビール広島工場は、広島の街の発展とともに歩み、地域の人々に愛され続けた場所だったのです。
工場閉鎖、そしてショッピングモールへの転換
2000年代に入り、ビール業界の構造変化や生産体制の見直しが進む中で、キリンビール広島工場は1997年(平成9年)に閉鎖が発表され、翌1998年(平成10年)8月に製造を終了しました。多くの人々に親しまれていた場所だけに、閉鎖のニュースは地域に大きな衝撃を与えました。
この広大な跡地をどのように活用するかは、地元でも大きな関心事でした。そして、この土地に新しい賑わいを創出するために選ばれたのが、大型ショッピングモールの建設でした。
新しい施設を開発するにあたり、単なる商業施設ではなく、地域の歴史を継承する役割が重視されました。2004年に開業したダイヤモンドシティ・ソレイユ(現:イオンモール広島府中)は、そのコンセプトを体現するように、敷地内の随所にビール工場時代の名残を残しています。
歴史と未来をつなぐ、新しいランドマーク
イオンモール広島府中は、かつてのビール工場の歴史を伝えるいくつかの工夫が凝らされています。
- 施設内のレリーフや展示物: イオンモール広島府中の中には、ビール工場の歴史を紹介する写真やパネル、模型などが展示されています。買い物をしながら、この場所の歴史を学ぶことができます。
- イベントスペース: かつてビアガーデンがあった場所を思わせるような、開放的なイベントスペースが設けられています。
- 「ソレイユ」の愛称: 開業当初の「ソレイユ」という愛称は、太陽やひまわりを意味するフランス語で、明るい未来を象徴するものでした。
このように、イオンモール広島府中は、かつてビール工場として地域に愛された歴史を大切にしながら、地域の新しい中心地として生まれ変わりました。賑わいの絶えないこの場所は、過去の歴史を未来へとつなぐ、まさに広島の新しいランドマークなのです。


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