毎年11月28日は「税関記念日」です。これは、1872年(明治5年)にそれまでの「運上所」が「税関」に改称されたことにちなんで制定されました。
この記事では、瀬戸内海の要衝として栄えてきた広島の経済と安全を「水際」で支える広島税関に焦点を当て、その設立から現在に至るまでの歴史と、私たちの暮らしに欠かせない重要な役割をご紹介します。
広島の活発な国際貿易と、それを守る税関の仕事について理解を深めてみましょう。
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Ⅰ. 広島税関の誕生と歴史的変遷
広島における税関の歴史は古く、現在の広島税関のルーツは、明治初期に遡ります。
明治の開港と運上所の設置
明治時代に入り、日本が国際社会との貿易を本格化させる中で、広島の港も重要な役割を担うようになりました。当初は現在の税関の機能を持つ「運上所」が置かれ、港を行き交う船や貨物の管理を行っていました。
その後、1894年(明治27年)の日清戦争開戦後、広島が大本営の所在地となり、宇品港(現在の広島港)が軍事・兵站上の重要拠点となったことで、税関組織の必要性が高まりました。
広島税関の独立と発展
1943年(昭和18年)には、門司税関(現在の門司税関)の管轄から独立し、現在の広島税関として発足しました。
戦後の復興期を経て、広島は自動車産業や鉄鋼業などの大企業が立地する西日本の重要な産業拠点へと発展しました。これに伴い、広島税関も、広島港、福山港、岩国港などの主要な港湾、そして広島空港といった空の玄関口を含む広大なエリアを管轄する重要な組織として、その役割を拡大させてきました。
Ⅱ. 広島税関が担う3つの重要な役割
現代の広島税関は、国際貿易の円滑化と安全確保のため、主に以下の3つの大きな役割を担っています。
税金の徴収(適正な関税等の徴収)
税関の最も基本的な役割です。海外から輸入される貨物に対し、法令に基づき適正な関税や消費税などを確実に徴収します。この税収は国の財源となり、私たちの社会生活を支えています。
貿易の円滑化
経済活動の基盤となる国際貿易をスムーズに行うための手続き(通関手続き)を担います。広島には、マツダ株式会社などの自動車メーカーや、JFEスチールをはじめとする鉄鋼関連企業など、国際的な取引を行う多くの企業が拠点を置いています。
広島税関は、これらの膨大な量の貨物が迅速かつ正確に手続きを終え、国際的な物流が滞らないよう、電子化されたシステムなどを活用して貿易の円滑化を推進しています。
社会の安全・安心の確保
これが「水際」の守りとして最も重要な役割です。
- 麻薬や銃器などの不正薬物・禁制品の取締り
- テロ関連物資(爆発物など)の流入阻止
- 偽ブランド品などの知的財産侵害物品の取締り
- 家畜伝染病の病原体などの検査協力
広島税関は、これらの危険な物品が私たちの国や地域に入り込むのを防ぐため、高度な知識と技術を持った職員が、昼夜を問わず厳正な検査を行っています。
- 密輸防止のための主な活動
- X線検査装置によるコンテナ内部の透視検査
- 麻薬探知犬・爆発物探知犬による貨物・旅客の手荷物検査
- 海上巡視艇による不審船の監視・取締り
Ⅲ. 管轄エリアと主要な拠点
広島税関は、広島県、山口県(一部除く)、島根県、愛媛県、高知県といった広範囲な地域を管轄しています。
管轄する主要な「水際」の玄関口は多岐にわたります。
| 施設の種類 | 広島税関が管轄する主な拠点(一部) |
| 主要港湾 | 広島港(宇品)、福山港、岩国港、松山港、高知港など |
| 主要空港 | 広島空港、松山空港など |
| 出張所・支署 | 広島市内の主要税関支署、尾道・福山地区の出張所など |
これらの拠点で、日々職員が「水際」の監視と手続きを行っており、地域経済の活性化と住民の安全確保に貢献しています。
まとめ
広島税関は、単なる税金の徴収機関ではなく、**広島の国際的な経済活動を円滑に進める「支援者」であり、同時に私たちの安全と安心を守る「最前線の守り手」**でもあります。
税関記念日を機に、普段は目にすることのない「水際」で働く人々の努力と、広島の国際貿易の重要性について、改めて思いを馳せてみてはいかがでしょうか。


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