広島駅のすぐ東側、再開発が進むビル群やMAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島のそばをゆったりと流れる猿猴川(えんこうがわ)。 水の都・広島の玄関口に位置するこの川には、古くから語り継がれてきた少し不思議な名前が付けられています。
由来は愛すべき「猿猴(えんこう)」の伝承から
猿猴川の名前の由来は、江戸時代からこの川に住むと言い伝えられてきた「猿猴(えんこう)」に深く関係しています。
広島では河童(かっぱ)のことを「猿猴」と呼びますが、一般的なカッパとは少し違い、猿のような毛深い姿をしているのが特徴です。昔、この川にはいたずら好きの猿猴が住んでいて、道行く人を驚かせたり、ユーモラスな騒動を起こしたりするという物語が、人々の間で親しまれてきました。
この地域に根付いた伝承がそのまま地名となり、川自体が「猿猴が住む川=猿猴川」と呼ばれるようになったのです。
広島城下の「東の要害」としての歴史
猿猴川は伝説の舞台であると同時に、広島城下を守る防衛ラインとしての重要な役割も担っていました。
天然の守り
太田川の分流の中でも最も東に位置し、城下の東側を囲う天然の堀として、外敵の侵入を防ぐ役割を果たしていました。
物流の要所
明治以降、広島駅が開業すると、駅に隣接する猿猴川は水陸交通の結節点となり、広島の近代化を支える物流の拠点として賑わいました。
駅前発展の象徴「猿猴橋」
大正時代に架け替えられた「猿猴橋」は、当時の広島で最も豪華な装飾が施された橋であり、今も復元された美しい姿を留めています。
現代の猿猴川:伝説と活気が共存するリバーサイド
現在の猿猴川周辺は、広島駅南口の再開発によって大きく変貌を遂げ、モダンな商業施設やスタジアムが立ち並んでいます。
スタジアムを彩る風景
川沿いには広島カープの本拠地があり、試合開催日にはチームカラーに染まるファンで溢れる、活気あるエリアです。
微笑ましい猿猴の像
猿猴橋のたもとには、伝説を記念した愛らしい「猿猴のモニュメント」が設置され、フォトスポットとして親しまれています。
水辺の散策コース
整備された遊歩道は、都会の喧騒の中で水のせせらぎを感じられる憩いの場となっています。
まとめ:伝説が育んだ「街の個性」
「猿猴川」という名前は、かつての人々が自然に抱いた親しみと、それを物語として楽しむ遊び心が今に伝わったものです。
近代的な駅前のビル群の足元に、カッパ伝説の川が流れている。そんな歴史と伝説が混ざり合う風景こそが、広島の奥行きある魅力となっています。


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